インフルエンザの話


「インフルエンザって、どんな病気なんですか?」

時々こういう質問を受けて驚くことがあります。おとなならだれでも、インフルエンザにかかったことが一度や二度はあるはずだからです。熱が出て、のどや頭や節ぶしが痛み、熱はなかなか下がらないし咳はどんどんひどくなるし、ひどいめにあった、という経験はありませんか? それがインフルエンザです。

インフルエンザは感染する力が強く、家族のひとりがかかると次々にうつって全員ダウン、ということも珍しくありません。保育園や幼稚園・学校などの集団生活で、あるいは職場でうっった、という話もよく聞きます。

うつりやすい理由のひとつは、「飛沫感染」と呼ばれる感染のしかたにあります。インフルエンザにかかった人が咳やくしゃみをすると、日に見えないほど小さなつばや鼻水のつぶが飛びますが、それと一緒にのどや鼻の奥にいるウイルスが飛んでいくんですね。せきやくしやみの力は相当に強くて、かなり遠くまでウイルスを飛ばします。こんなふうに空中を飛んで広がるので、口から入る経口感染や触ってうつる接触感染よりも、よりひろがりやすいわけです。

さらに、インフルエンザウイルスは、毎年少しずつ型が変わっていきます。そのため、一度かかって免疫がついている人でも、大きく型の変わったウイルスにはその免疫では十分対処できず、またかかってしまいます。だから、ふつうのかぜにはかかりにくい年長のこどもや成人もかかってしまうのです。

インフルエンザウイルスは、のどやはなの粘膜にくっつき、その場で増殖します、身体に入ったその場で増殖して症状があらわれるので、症状が出るまでの潜伏期間は、2〜3日とごく短いものになります。ウイルスによるのどや鼻の炎症という意味では、ふつうのかぜと同じです。ただ、インフルエンザの場合は、発熱をはじめとする全身の症状が最初から非常に強いのが、ちょっとちがう点です。

インフルエンザは外来でできる迅速検査が普及したため、熱が出ると一刻も早く検査を受けようと受診する人もいます。しかし、今では多くの人が知っていますが、インフルエンザの迅速検査は、熱が出てから8〜12時間、場合によっては24時間くらいたたないと、陽性になりません。ですから、「インフルエンザかどうかはっきりさせる」ということだけのために、急いで受診するのは意味がありません。一方、肺炎や脳症など、重症になる人は、そのほとんどが、熱が出てから半日くらいの間に症状が重くなっていることがわかっています。つまり、迅速検査で診断できるかできないかという時に、すでに入院が必要なような状態になっているわけです。

インフルエンザであろうとなかろうと、脳症や重い肺炎の疑いがあれば、急いで受診する必要があります。そのめやすは、熱が高いかどうか、あるいは熱が急に上がったかどうか、ではなく、意識がはっきりしているか(目が合うか、周囲に興味を示しているか、いつもどおりに会話ができるか)、呼吸が苦しくないか(顔色はいいか、肩で息をしていないか、ふつうに話ができるか、横になれるか)、ということです。このようなことがなければ、夜間にあわてて受診する必要はありません。

インフルエンザのワクチンは、流行の拡がりをおさえる効果はあるとされていますが、受けた個々人が確実にかからなくてすむというものではありません。インフルエンザの流行期には、帰宅後や食事前には手をよく洗う、咳や鼻水が出ているときはマスクをする、などの対策も大切です。またインフルエンザウイルスは寒くて乾燥した環境を好みますから、加湿や適切な暖房も行いましょう。
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