食中毒の話


「昨日から熱が出て、何度か吐きました。今朝から下痢が始まっています。食中毒でしょうか?」

この症状は胃腸炎ですが、胃腸炎の原因になったウイルスや細菌が、食べ物から入ったものであった場合に、「食中毒」と呼ばれます。食中毒は、同じものを食べた人が集団で発症することが多いので、問題になります。家庭内で出ることもありますし、学校や園の給食や行事、会社の宴会や、飲食店で同じ料理を食べたお客さんなど、いろいろな場合があります。焼肉店のユッケで起きた集団食中毒が社会的な問題になったこともありますよね。

正確には、「食中毒」という言葉そのものは、このような、ウイルスや細菌による感染症だけでなく、食べ物によって身体に有害なことが起きる、ということのすべてを含んでいます。ですから、キノコの毒による中毒も食中毒ですし、水俣病のような、食べものが汚染されていたために起きた公害病も一種の食中毒です。症状も、嘔吐や下痢のような胃腸の症状とは限らず、しびれや幻覚など神経系の症状が出る食中毒もあります。

食べた人全員に症状が出るとは限らず、同じものを食べても、抵抗力の弱い人だけに症状が出る、ということもあります。いずれにしろ、症状が胃腸炎であれば治療そのものは胃腸炎の治療になります。

食中毒は夏のものとは限りませんが、夏場は特に細菌による食中毒の起きやすい季節ですから、注意は必要です。夏は気温も湿度も高いため、カンピロバクター、サルモネラ、ブドウ球菌など、食中毒を起こす細菌が増えやすい環境なのです。

私たちの手や、生の肉や魚介には、いろいろな細菌やウイルスがくっついています。こうした細菌やウイルスが、食品を保存したり調理したりする際にくっついて増えてしまうと、食中毒の原因になります。これを防ぐには、いくつかの対策があります。

第一に、手や調理器具を清潔に保つこと。調理を始める前にも、調理の途中でも、手をよく洗う。まな板や包丁も、汚れたらその都度きれいに洗い、必要に応じて消毒する。

第二に、生の魚介や肉から他の食品への汚染を防ぐこと。他の食材や調理済みの食品と一緒にしない。生の魚介や肉を扱う調理器具は他のものと分けるか、その都度よく洗う、といったことです。

第三に、食品、特に肉や魚介は十分に加熱すること。ほとんどの食中毒菌は、70度以上に加熱すれば死んでしまいます。調理済みのものを食べる時にも、十分に再加熱する必要があります。

第四に、保存する時の温度に気をつけること。調理済みのものを室温に放置しない。室温では、食中毒菌がどんどん増えてしまいます。調理済みのものや生食するものは素早く冷蔵する。あるいは、加熱して食べるものは熱いままに保つ。

第五に、新鮮な食材を選び、生食する野菜や果物は十分に洗うこと。冷蔵庫を過信せず、早めに食べ切る、日にちのたったものは思い切りよく捨てることも大切です。

冬には、ノロウイルスなどによる食中毒が増えます。ノロウイルスは、最初の人が食品からの感染だったとしても、嘔吐物や便から、さらにその食品を食べていない他の人にも広がることが多く、集団感染がよく問題になります。ノロウイルスも熱には弱いので、食品の加熱が大切です。
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