熱中症の話


「暑くなってきました。毎年このころになると熱中症が話題になりますね。」

この時期、屋外での作業やスポーツ時はもちろんですが、小さい子どもやお年寄りは、とくに熱中症になりやすいので、室内でも注意が必要です。

もともと、私たち人間の身体の中では、常に熱が作られています。また、運動することによっても熱はつくられます。一方で、身体の表面の血管から皮膚を介して熱を発散し、汗が蒸発することで熱を奪って(気化熱)、体温が上がりすぎないようにバランスを保っています。暑い時や運動した時には、①汗を多く出してより多くの熱を奪うことと、②身体の表面にある血管が広がってより多くの熱を発散する、というふたつのはたらきによって、体温が上がらないように調節しています。

ところが、 小さい子どもは、身体が小さくて外気によって熱せられやすい上に、汗腺のはたらきが未熟で、暑さに対応して十分な汗を出すことが難しいのです。効率よく汗をかくことのできない子どもの身体では、体温を調節するのに、②のほうのはたらきが主な役割を担っています。

気温が体温より低いときは、このはたらきは効率よくはたらきますが、気温が体温に近づくと効率が落ちます。さらに、気温のほうが高くなれば、逆に外から熱をとりこんでしまうことになります。たとえば、夏でなくても、晴れた日の車の中などでは、数分で40〜50℃にもなるため、乳幼児が重い熱中症になる事故が多発します。

大きい子どもや成人は、炎天下の運動中に適切に水分補給が行われないために熱中症になることが多いのですが、小さい子どもでは、このように日常生活の中で気温・湿度の高い状態にさらされることにも危険があるのです。

熱中症になりやすいのは、もちろん気温が高いときですが、湿度も関係します。湿度が高いと、汗によって熱を奪う効率が落ちます。風が弱い時も同様です。汗が乾きにくい環境はまずい、ということですね。直射日光だけでなく、照り返しが強い場合も、それだけ身体が熱せられやすく、危険です。

また、同じ気象条件でも、暑さに身体が慣れていない夏の初めや、疲れているとき、かぜなどで体調を崩している時も、バランスを崩しやすく、熱中症になりやすいということです。

では、熱中症の症状はどんなものでしょうか。

真夏に発熱すると「熱中症でしょうか」といって受診する方も少なくないのですが、熱中症で体温が上がるのは、むしろかなり進行したときと言えます。熱中症の初期症状は、皮膚表面の血管が拡がって血圧が下がったためにおきるめまいやたちくらみ、 さらに大量の汗が出ること、これによって血液中のナトリウムのバランスが崩れた兆候であるこむら返りや筋肉痛、といったものです。気温・湿度が高く風の弱い環境でこういう症状が出たときには熱中症を疑って、速やかに対応する必要があります。

熱中症の症状が疑われたら、まず冷やすこと、そして水分・塩分を補給することが必要です。風通しの良い日陰か冷房された屋内に移し、衣服を脱がせ、水をかけてうちわなどであおいだり、氷などで首筋や脇の下・太もものつけねなどを冷やします。意識がしっかりしており吐き気がなければ、冷たいスポーツドリンク(塩を少し加えたほうがよい)や脱水治療用の経口補水液(薬局で売っています)、塩水などを飲ませます。症状がよくならないとき、頭痛や吐き気がひどくて水分がとれない・意識がない・高熱があるなどのときは、救急車で医療機関へ。救急車を待つ間も、冷やすことは続けます。

しかし、なにより大切なのは予防です。まず着せすぎないこと。身体にぴったりしていない、通気性のよい服を着せ、陽射しが強い時には帽子も。外出は日中の暑い時間帯は避け、できるだけ朝夕の涼しい時にしてください。部屋も直射日光を遮り、風通しのいい環境にしておきましょう。節電が叫ばれる昨今ですが、乳幼児やお年寄りがいる場合は我慢しすぎず、適切に冷房も使ってください。

また、水分補給も大切です。のどが乾く前にこまめに水分をとることが進められています。小さい子どもでは意識してこまめに水分を与えましょう。いっぺんにたくさん飲むよりも、小分けに飲んだほうが効率はよいです。たくさん汗をかいたときはちょこっと塩分も忘れずに。
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