ぜんそくの話


「ゆうべ咳き込みがひどく、眠れないほどだったので、夜間診療を受診したら、『喘息ではないか』と言われ、吸入をして、飲み薬をもらいました。吸入の後は眠れましたし、今朝はかなり具合はいいようです」

確かに喘息は、夜中から明け方にかけて症状がひどくなることの多い病気です。吸入したのは、気管支を拡げる薬でしょう。喘息では、気管支が狭くなって空気の通り道が細くなってしまうため、息苦しく、また痰がからんで咳が激しくなります。このような時は、まず、気管支を拡げる自律神経に働く薬を使います。吸入の薬は気管支に直接入るので、即効性があります。

いきなり喘息と言われてびっくりした、というお話もよく聞きます。実際、ある種の気管支炎で、喘息のようにゼイゼイすることはありますから、一度だけで喘息と言い切るのは難しいです。ただ、熱がないことや、吸入がかなりよく効いたように見えることは、喘息を思わせる特徴ではあります。ちょっとしたきっかけで同じようなことがおきるようなら、喘息の可能性が高いでしょう。


こういう人は、聞いてみると、これまでに、かぜをひくと咳がひどくなりやすい、とか、咳が長く続きやすい、というようなことがあったという人が少なくありません。「咳が続いていたから喘息になったの?」と質問されることもあります。これはむしろ逆で、喘息の体質があるので咳が出やすかった、と考えるべきでしょう。

喘息になってしまうと治らないのでは、と落ち込む人もいます。確かに喘息は慢性の病気です。はっきり「治った」と言えるのは、まったくゼイゼイすることがない状態が続く場合ですが、何年も出なかったものがまた出てくる場合もあります。しかし、だからといって悲観することはありません。喘息の治療薬の進歩は著しいものがあり、多くの場合、症状に合わせてきちんと治療していけば、生活に支障なく、つきあっていけるものになっています。とくに子どもの喘息は、きちんと治療を続けていれば、成長につれて症状が落ち着いていく場合がほとんどです。

また、一口に喘息といっても、症状の重さには大きな幅があります。たまに何かのきっかけでゼイゼイすることがあるだけで、吸入などですぐによくなる、ごく軽い人もいます。眠れないほどの発作が毎週のようにあったり、吸入ではおさまらなかったり、という場合もあります。ひどい発作を繰り返したり、おさまりきらずに引きずったりしていると、次第に治りにくくなりますから、症状の程度に合わせて、まず第一にゼイゼイする発作を抑えること、さらに繰り返さないよう予防することが、治療の基本になります。

喘息の人の多くは下地としてアレルギー体質があり、検査するとダニやハウスダストへの反応が陽性に出ることが多いです。また、スギなどの花粉や、犬や猫などの動物で陽性になることもあります。これらが発作を起こす誘因のひとつになっていることは多く、検査して損はないでしょう。ただし血液検査で陰性だからといっても全く無関係だとは言い切れない場合もあるので、ちょっと複雑です。

掃除や換気、布団を干すなど基本的なダニ対策は行うほうがよいでしょう。環境整備として対策可能で効果が高いのは、家族の吸うタバコ。タバコの煙は気管支に対する刺激が強く、これで発作を起こす子も多いですし、家族に喫煙者がいる場合、子どもの喘息の発症率は、家族の誰も吸わない場合に比べて高いこともわかっています。ご本人の健康のためにも禁煙がベストですが、最低限、子どもの過ごす部屋では吸わないようにお願いしたいです。
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